WSNet2を利用するのに必要なC#コードはwsnet2-unity/Assets/WSNet2以下に置かれています。
Unityの場合はこのディレクトリをAssets以下にコピーしてください。
.NETアプリケーションで利用する場合は、wsnet2-unity/Assets/WSNet2/Scripts/Core以下のファイルをプロジェクト(*.csproj)に含めてください。
WSNet2の利用はWSNet2Clientクラスを利用したロビーへのリクエスト(部屋作成・検索・入室)から始めます。
これは、UnityではWSNet2Service.Instance.GetClient()で取得できるほか、.NETアプリケーションでは直接new WSNet2Client(...)します。
WSNet2Clientの利用には認証情報が必要になります。 詳しくはWSNet2のユーザ認証を参照して下さい。
WSNet2Clientを利用して入室したあとは、onSuccessコールバックに渡されるRoomオブジェクトを通して通信します。
WSNet2Client利用時、スレッドプールの最小値を設定していない場合に次のメッセージの警告が表示されることがあります。
The ThreadPool may become congested. Please consider increasing the ThreadPool.MinThreads values.
c.f. https://gist.github.com/JonCole/e65411214030f0d823cb
WorkerThreads: 8, CompletionPortThreads: 8
このような場合、次のメソッドで適切な値を設定してください。
ThreadPool.SetMinThreads(200, 200);大きな値を設定してもすぐにスレッドが作られるわけではないので、やや大きめにしても大丈夫です。 スマホクライアントの場合10以上を目安に、MasterClientのようにサーバサイドで動かす場合は100を目安に、プロファイラ等を見ながら決めてください。
WSNet2Client.Create()メソッドで部屋を作成し入室します。
作成する部屋の属性はRoomOptionで指定します。
RoomOptionには制限人数やフラグ、プロパティを設定します。
自分自身のプロパティはclientProps引数で指定します。
部屋の作成が成功すると、onSuccessコールバックが呼ばれます。
この時点で入室まで完了しています。
部屋を作成したプレイヤーは、部屋のMasterになっています。
入室した部屋情報はonSuccessの引数roomとして渡されます。
まずはこのroomにイベントレシーバやRPCを登録します。
onSuccessの処理中に受信したイベントはプールに溜められ、処理されません。
つまり、onSuccessの中で全てのレシーバ/RPCを設定できれば、イベントを取りこぼすことはありません。
Unityでシーン遷移してからレシーバを設定したい場合などのために、
room.Pause()でイベント処理を一時停止できます。
レシーバを設定した後でroom.Restart()して再開します。
一時停止中もonSuccessと同様、受信したイベントはプールに溜められます。
プールのサイズはWSNet2Settings.EvPoolSizeで設定できます。
// WSNet2Clientを取得
var client = WSNet2Service.Instance.GetClient(baseUri, appId, userId, authData);
// 部屋の属性とプロパティ
var maxPlayers = 4;
var searchGroup = 1;
var publicProps = new Dictionary<string, object>(){
{"public_key1", "some string"},
{"public_key2", (int)30},
};
var privateProps = new Dictionary<string, object>(){
{"private_key1", 0.8f},
{"private_key2", "privedata"},
};
var roomOption = new RoomOption(maxPlayers, searchGroup, publicProps, privateProps);
roomOption.WithNumber(true); // 部屋番号つきの部屋を作成
// 自分のプロパティ
var playerProps = new Dictionary<string, object>(){
{"name", "player1"},
};
// 部屋を作成して入室
client.Create(
roomOption,
playerProps,
(room) =>
{
Debug.Log("room created: " + room.Id);
this.room = room;
// RPCやレシーバを登録
room.OnErrorClosed += (e) => Debug.LogError(e.ToString());
room.OnClosed += (msg) => Debug.Log($"closed: {msg}");
room.OnOtherPlayerJoined += (p) => Debug.Log($"new player: {p.Id}");
// RPCは全てのクライアントで同じ順番で登録する
room.RegisterRPC(RPCGameState);
room.RegisterRPC<GameMessage>(RPCGameMessage);
},
(exception) =>
{
Debug.LogError($"create room failed: {exception}");
});WSNet2Client.Search()メソッドで、現在存在する部屋を検索できます。
負荷軽減のためsearchGroup単位で検索します。
また、Queryにより部屋の公開プロパティによるフィルタリングができます。
// 検索条件
var searchGroup = 1;
var limit = 10;
// publicPropsでのフィルタリング
var query = new Query();
query.Equal("public_key1", "some string");
query.Between("public_key2", 10, 50);
// 部屋の検索
client.Search(
searchGroup,
query,
limit,
(rooms) =>
{
// 部屋一覧をroomsとして受け取れる
foreach(var room in rooms)
{
Debug.Log($"room: {room.Id}");
}
},
(exception) =>
{
Debug.LogError($"search room failed: {exception}");
});既存の部屋へプレイヤーとして入室するには、
roomIdやroomNumberで部屋を指定して入室するWSNet2Client.Join()、
または検索条件に合致する部屋へランダム入室するWSNet2Client.RandomJoin()を利用します。
入室するには部屋がjoinable=trueである必要があります。
加えて、RandomJoinの対象になるのはvisible=trueの部屋のみです。
また、roomIdやroomNumberで部屋を特定した場合でも、Queryの条件にも合致しないと入室できません。
入室が成功するとonSuccessコールバックが呼ばれ、roomが渡されます。
この時点で、他のプレイヤーにも入室したことが通知されます。
部屋作成と同様、イベントハンドラやRPCをonSuccessで登録するか、
Room.Pause()して登録完了してからRoom.Restart()します。
// 部屋番号による指定
int roomNumber = 123456;
var query = new Query().Between("public_key2", 10, 50);
// 自分のプロパティ
var playerProps = new Dictionary<string, object>(){
{"name", "player2"},
};
client.Join(
roomNumber,
query,
playerProps,
(room) =>
{
Debug.Log("room created: " + room.Id);
// イベント処理を一時停止
room.Pause();
// roomを保存
GameScene.Room = room;
// シーン遷移後にレシーバを設定してroom.Restart()する
SceneManager.LoadScene(GameScene.Name);
},
(exception) =>
{
Debug.LogError($"create room failed: {exception}");
});メッセージの送受信は基本的にはRPC(Remote Procedure Call)の形で行います。
RPCで呼び出すメソッドはRoom.RegisterRPC()によって登録します。
この登録内容は順序も含め、部屋に参加する全てのクライアントで一致している必要があります。
登録できるメソッドは、第一引数に送信者のPlayerID文字列、第二引数にRPCのパラメータ(ない場合もある)を取るActionです。
パラメータの型は、プリミティブ型またはIWSNet2Serializableを実装した型、それらの配列型、辞書型(IDictionary<string, object>)です。
RPCの呼び出しはRPCメソッドで、対象のPlayerIDを指定して送信します。
対象を指定しない場合は全てのクライアント(観戦者含む)に送信されます。
また、Room.RPCToMasterを指定することで、その時点のMasterを対象とすることができます。
メッセージ順序の一貫性を保つため、自分自身のみが対象であっても、必ずWSNet2サーバを経由して実行されます。
class GameMessage : IWSNet2Serializable
{
...省略...
}
void RPCGameState(string senderId, int state)
{
...省略...
}
void RPCGameMessage(string senderId, GameMessage message)
{
...省略...
}
...
client.Create(
roomOption,
playerProps,
(room) =>
{
this.room = room;
...省略...
// RPCは全てのクライアントで同じ順番で登録する
room.RegisterRPC(RPCGameState);
room.RegisterRPC<GameMessage>(RPCGameMessage);
},
(exception) => Debug.LogError($"create room failed: {exception}"));
...
// 全てのクライアントで RPCGameState("...", 10); が呼び出される
room.RPC(RPCGameState, 10);
// Masterでのみ RPCGamemessage("...", message); が呼び出される
var message = new GameMessage(...);
room.RPC(RPCGameMessage, message, Room.RPCToMaster);room.Leave()メソッドで退室を要求できます。
呼び出した時点ではまだ退室はしておらず、room.OnClosedが呼ばれた段階で退室が完了します。
他のクライアント(観戦者含む)にはroom.OnOtherPlayerLeftとして通知されます。
退室するのが部屋のMasterの場合、room.OnOtherPlayerLeftの前にroom.OnMasterPlayerSwitchedで新たなMasterが通知されます。
したがって、Masterが不在になることはありません。
全てのプレイヤーが退室した部屋は即座に終了し、新たに入室や観戦をすることはできません。 このとき残っていた観戦者も全て退室させられます。
観戦は、プレイヤーとしての入室に近いですが、次の点が異なります。
client.Join()のかわりにclient.Watch()で入室する- ランダム入室は無い
- 観戦者には
Playerオブジェクトが無い- PlayerIDが無い
- プロパティを持たない
- 他クライアントに入退室が通知されない
- 部屋のMasterにならない
- RPCの対象として指定されない
- PlayerIDが無いため
- 全員を対象とするRPCだけが届く
一方、RPCは一般プレイヤー同様呼び出せます。
プレイヤー自身のプロパティは、いつでもroom.ChangeMyProperty()で変更できます。
この引数の辞書には変更したいキーのみ含めればよく、その他のキーの値は変更されません。
このような仕様のため、一度追加したキーを削除することはできません。
nullにすることなどで対処してください。
観戦者はプロパティを持たないため、この操作はできません。
次の操作はMasterだけができます。
- Masterの交代
room.SwitchMaster() - 部屋のプロパティ変更
room.ChangeRoomProperty() - プレイヤーのKick
room.Kick()
ネットワーク的な切断や回線の切り替えなどが起こると、自動的なwebsocket再接続とメッセージ再送が行われます。
この切断と接続はroom.OnConnectionStateChangedで通知を受け取れますが入室状態に変化はなく、
アプリケーション側では特別なにかする必要はありません。
サーバ側でも入室状態のままで、他クライアントには通知されません。
LeaveやKickによる正常な切断ではroom.OnClosedが、
何らかのエラーによる切断ではroom.OnErrorClosedが呼び出されます。
これらが呼び出されたときにはサーバ側でも退室状態となり、他クライアントにもroom.OnOtherPlayerLeftが通知されています。
サーバ側での切断判定として、部屋ごとに指定された時間(Room.ClientDeadline)以上メッセージが送られない場合、
クライアントを退室として扱います。
再度入室したい場合はclient.Join()を呼び出し、全く新しいPlayerとして入室します。
その他、退室はしないエラーはroom.OnErrorによって通知されます。
この場合はそのまま入室状態としてメッセージの送受信を続けられます。